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第21章 偽りの恋と真実の愛

「いくら何でも驚き過ぎだよ、お嬢さん」
酔客を外に引きずり出していたはずの人間が自分の真横にいたら驚くに決まっている。
そんなに笑うことはないだろう。
そう言ってやりたいが、相手は自分を助けてくれた上、女将の話では常連客。ニナは感情を抑えて、話題を変えることにした。
「さっきのお客さんはどうしたんですか？」
「うん？近くで第一警邏隊が巡回していたから、彼らに任せたよ」
事も無げに言うナミキの顔を改めて見てみると、なるほど確かに端正な顔立ちの綺麗な男ではあった。
しかし、話し方や、へらへらとした表情からはどうにも軽薄な印象を受ける。