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第5章 下る命令

そんな話を自分達に聞かせている時点で、いや、この部屋に呼ばれた時点でこれは頼みではなく、決定事項だったのだとリノは悟った。
「それから、キオ・メイについてはその男装を解き、女として捜索に当たることを命じる」
これにリノの目がつり上がった。
「…何故ですか」
「もし、捜索した場所が当たりで、潜入することになった時を考えろ。何かのきっかけでお前が男装をしている女と知れた時、妙な疑いを掛けられる可能性がある。疑われない為にも女の姿でいた方がいい」
リノはただ拳をきつく握りしめた。