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第5章 下る命令

「いつまでも捜索に人員を割いてはいられないからな。今までの調査から拠点候補を三ヶ所に絞った」
ハクトが墨に浸した筆で小さな円を地図上の三ヶ所に描いた。
「この三ヶ所が拠点の候補だ。ただし、捜索隊を作らず、一人で一カ所を捜索することになる。さっきも言った通り捜索に人員を割いていられないからだ。だから体力もあり、武に長けたお前達に任せたいと思っている。また、この件に関しては出立日時も捜索範囲にお前達が行くことも他言無用だ。タセムすら知らないからな。出立して七日目までは休暇、または地方へ派遣にでている体（てい）で通し、以降は捜索について周知をする。だが、現時点ではこの場にいる四人だけの秘密にしておくようにするんだ」