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みんな同じ空の下
第28章 深夜の会談
「そこまで知っているのなら話は早い。今、キオ殿が話された通り、王都への呼び戻しがかかるほどハクト様は優秀なお方です。だから側室の子にも関わらず、王城内の高官達からの評判が大層良かった。それを快く思わなかったのが、亡き王妃様の忘れ形見であるハルマ様でしてね。王太子であることの誇りと自尊心が崩れないように、腹違いの兄弟であるハクト様にああした態度を取り続けている、というわけです」
クガの説明に、リノは黙って頷いた。
「…ハルマ様は王太子ですが、ここだけの話、俺はあの方が次期王の器とはあまり思えません。今、陛下の名代として政をしているが、基本的には力のある高官の言いなりです。次代の国王となられるお方があれでは、この国の将来には憂いしかありません。どうせ仕えるなら、俺はハクト様がいいんですけどね…」
「クガ。それくらいにしろ」
ハクトが低い声で制止を促した。
クガの説明に、リノは黙って頷いた。
「…ハルマ様は王太子ですが、ここだけの話、俺はあの方が次期王の器とはあまり思えません。今、陛下の名代として政をしているが、基本的には力のある高官の言いなりです。次代の国王となられるお方があれでは、この国の将来には憂いしかありません。どうせ仕えるなら、俺はハクト様がいいんですけどね…」
「クガ。それくらいにしろ」
ハクトが低い声で制止を促した。