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みんな同じ空の下
第31章 企み
*
数日後、咬龍団とタセムは刑部へと送られた。
国家転覆の罪は重い。
最初に判決を下されたのは、タセムだった。
警備局副監理官兼第一警邏長の役職に就いていながら国家転覆を図った首謀者として、死刑の判決が下った。
「私が…、死刑…?誰よりも、国のことを考えていた、この、私が…?」
死刑を言い渡されたタセムは、気が触れたように三日三晩薄ら笑いを浮かべながら譫言(うわごと)のようにぶつぶつと独り言を繰り返した後、舌を噛んで自害した。
タセムの死後も、刑部では咬龍団が次々と刑罰を言い渡されていた。
その殆どは辺境地への流刑だった。
そんな中、咬龍団頭領であるシバへ下される判決を待つ王都の人々は、好き勝手に予想を立てて騒いでいた。