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みんな同じ空の下
第32章 願い事
咬龍団全員の刑罰が確定した三日後。
流刑を言い渡された者達は、流刑地へ向かうため、次々と荷馬車の中に乗せられていた。
荷馬車は屋根のない質素な造りで、罪人が風雨に曝されようと知ったことではないと言っているようだった。
(まあ、実際その通りね)
腰縄の僅かなほつれを弄びながらレンカは自嘲した。
荷馬車に乗ろうとするレンカらを見ている野次馬達が、ひそひそと囁き合う。
「あれが咬龍団か」
「よくも国王の首を獲ろうなどと大それたことを考えたものだ」
「見ろよ、連中のあのふてぶてしい顔。憎たらしい顔つきをしてやがる」
「あら本当ね。きっと自分達が何をしでかしたかを解っていないのよ。頭も悪そうだし」
あれだけ英雄だ何だと騒いでおいて、咬龍団の真の目的を知った途端、嘲り罵るのか。
荷馬車に乗り込んだレンかは心の中で毒づいた。
(…何も知らないくせに)
レンカの脳裏に、過去の記憶が蘇った。
流刑を言い渡された者達は、流刑地へ向かうため、次々と荷馬車の中に乗せられていた。
荷馬車は屋根のない質素な造りで、罪人が風雨に曝されようと知ったことではないと言っているようだった。
(まあ、実際その通りね)
腰縄の僅かなほつれを弄びながらレンカは自嘲した。
荷馬車に乗ろうとするレンカらを見ている野次馬達が、ひそひそと囁き合う。
「あれが咬龍団か」
「よくも国王の首を獲ろうなどと大それたことを考えたものだ」
「見ろよ、連中のあのふてぶてしい顔。憎たらしい顔つきをしてやがる」
「あら本当ね。きっと自分達が何をしでかしたかを解っていないのよ。頭も悪そうだし」
あれだけ英雄だ何だと騒いでおいて、咬龍団の真の目的を知った途端、嘲り罵るのか。
荷馬車に乗り込んだレンかは心の中で毒づいた。
(…何も知らないくせに)
レンカの脳裏に、過去の記憶が蘇った。