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みんな同じ空の下
第33章 最後の夜
「勝手なことを言うな。お前、一体…」
「顔を合わせるのは初めてだな、シバ・スニヤ。私はハクト・レギ。警備局監理官だ」
ハクトが名乗った瞬間、シバの目が揺らいだ。
「そうか…、お前が…。タセムから、身分を隠して警備局監理官を務める王子がいると聞いてはいたが…。…成る程、風変わりな男だ。俺のもとにリノを放り込むとはな」
「暫し時間を与えただけだ。一刻が経てば、リノは出す。…こちらとしては近付けるのも腹立たしいがな」
ハクトはそう言って、静かに階段を昇っていった。
地下牢の中が静寂に包まれる。
「…今日も、男の成りをしているのだな」
沈黙を破ったのは、シバだった。
「顔を合わせるのは初めてだな、シバ・スニヤ。私はハクト・レギ。警備局監理官だ」
ハクトが名乗った瞬間、シバの目が揺らいだ。
「そうか…、お前が…。タセムから、身分を隠して警備局監理官を務める王子がいると聞いてはいたが…。…成る程、風変わりな男だ。俺のもとにリノを放り込むとはな」
「暫し時間を与えただけだ。一刻が経てば、リノは出す。…こちらとしては近付けるのも腹立たしいがな」
ハクトはそう言って、静かに階段を昇っていった。
地下牢の中が静寂に包まれる。
「…今日も、男の成りをしているのだな」
沈黙を破ったのは、シバだった。