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みんな同じ空の下
第33章 最後の夜
「時間はかかってしまうが、民が少しでも生きやすい世になるよう、尽力することを約束しよう」
ハクトが誠実な口調で伝えると、シバはそれを鼻で笑った。
「そんな話、俺が信用するとでも思うのか。所詮、上辺だの口約束だろう」
「ああ、そうだったらどんなに楽だろうな」
ハクトがさらりと返すと、シバの瞳の奥が大きく揺らいだ。
「………本気で言っているのか?」
「大した権限はないが、これでも王の血を継いでいる。お前の理想は私も目指すところだ。…私は私のやり方で現状を変えていく」
はっきりと言い切ったハクトの目は、澄んでいた。
シバには成せなかったことが、ハクトにはできるかもしれない。
シバが見ることの叶わなかった景色を作り出せるかもしれない。
ハクトの目は、シバにそう思わせた。
「…そうか」
シバは、ふっと肩の力が抜けたように微笑んだ。
「ならば、やってみせろ。出来なければ、地獄で高笑いしてやる」
きっとこの二人は、立場が違わなければ良き友となれただろう。
リノは密かにそんなことを考えた。
ハクトが誠実な口調で伝えると、シバはそれを鼻で笑った。
「そんな話、俺が信用するとでも思うのか。所詮、上辺だの口約束だろう」
「ああ、そうだったらどんなに楽だろうな」
ハクトがさらりと返すと、シバの瞳の奥が大きく揺らいだ。
「………本気で言っているのか?」
「大した権限はないが、これでも王の血を継いでいる。お前の理想は私も目指すところだ。…私は私のやり方で現状を変えていく」
はっきりと言い切ったハクトの目は、澄んでいた。
シバには成せなかったことが、ハクトにはできるかもしれない。
シバが見ることの叶わなかった景色を作り出せるかもしれない。
ハクトの目は、シバにそう思わせた。
「…そうか」
シバは、ふっと肩の力が抜けたように微笑んだ。
「ならば、やってみせろ。出来なければ、地獄で高笑いしてやる」
きっとこの二人は、立場が違わなければ良き友となれただろう。
リノは密かにそんなことを考えた。