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みんな同じ空の下
第33章 最後の夜
*
衣服を着直したところで、遠くから階段を降りる足音が聞こえてきた。
「――リノ、時間だ。……帰ろう」
牢に現れたハクトが鍵を開けながら、リノに外へ出るよう促した。
「……今、出ます」
リノが牢を出るのを確認して、ハクトは鍵をかけた。
「…シバ・スニヤ」
突然、ハクトがシバに声をかけた。
シバがハクトを一瞥する。
「何だ」
「私は、咬龍団のやり方には到底賛成できないが、弱き民が虐げられるような世があっていいとは思わない」
「………何が言いたい」
シバがハクトを睨み付けた。