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みんな同じ空の下
第34章 処刑
「見ろ。落ちぶれた英雄の末路を見物に来た野次馬だらけだ。皆、お前の首が切り落とされるのを待ち望んでいる」
哀れなものだな、と処刑人がシバに語りかける。
「――ああ、そうだな」
シバは嘲るような処刑人を気にすることもなく、穏やかに答えた。
一つの目的、国を変えるためだけに、シバはひたすら走り続けた。
その中で、仲間を得た。
愛する女さえ見つけた。
――充分だろう。
シバが刑場の外側にいる野次馬に目をやると、その奥に、可愛らしい装いの少女の姿を見つけた。
少女は若い娘らしい淡い色の衣服を身にまとい、髪や耳にはゆらゆらと揺れる飾りを着けている。
口を引き結んでシバを見ているその少女は、リノだった。
哀れなものだな、と処刑人がシバに語りかける。
「――ああ、そうだな」
シバは嘲るような処刑人を気にすることもなく、穏やかに答えた。
一つの目的、国を変えるためだけに、シバはひたすら走り続けた。
その中で、仲間を得た。
愛する女さえ見つけた。
――充分だろう。
シバが刑場の外側にいる野次馬に目をやると、その奥に、可愛らしい装いの少女の姿を見つけた。
少女は若い娘らしい淡い色の衣服を身にまとい、髪や耳にはゆらゆらと揺れる飾りを着けている。
口を引き結んでシバを見ているその少女は、リノだった。