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みんな同じ空の下
第34章 処刑
「来てくれたのか…」
シバが、処刑人にすら聞こえないほど小さな声で呟いた。
自分の最後を見届けに、リノが来てくれた。
なんといい日だろう。
そう思わずにはいられない。
そうでなければ、欲が出てしまいそうになる。
大罪人、シバ・スニヤは最期まで雄々しくあらねばならないのに。
死にたくない。
死にたくない。
死にたくない。
そんな身勝手な欲がシバの心を占拠しようとする。
今ここで、みっともなく泣き叫びたい。
だが、それは許されないことだ。