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みんな同じ空の下
第38章 幸せに、生きろ。
*
想いを伝えたばかりのリノには、気になることがあった。
妃のことだ。
いくらハクトが望んでいようとも、平民のリノが一国の母である正妃となることは無理だ。
まず重臣らが納得しないだろう。
「ハクト。私は妃として迎えられるのですよね」
「ああ。無論、正妃としてな」
「解っておられるとは思いますが、私は平民です。ご正妃に据えられるのは、やはり家柄の良い姫君でなくてはなりません。私のことは、どうぞ妾妃としてお迎えください」
リノがきっぱりと言い切ると、ハクトは「そんなことか」と言いたげな顔をした。