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みんな同じ空の下
第6章 少女が「女」を捨てた日 ~其の壱:十年前~
そう言えば泣いて命乞いをするとでも思ったのか。
リノは人殺しをした罪人が死刑になることは知っていたし、この仇討ちが成功しても失敗に終わってしまっても、自分は必ず処刑されることを覚悟していた。
死ぬことに、恐怖も何もなかった。
役人を殺そうと決めた時から自分の感情は麻痺していたのかもしれないと、リノは自嘲した。
「――火北の役人は随分と酷なことをするのだな」
いつの間に現れたのか、リノの目の前に美しい少年が立っていた。
リノは人殺しをした罪人が死刑になることは知っていたし、この仇討ちが成功しても失敗に終わってしまっても、自分は必ず処刑されることを覚悟していた。
死ぬことに、恐怖も何もなかった。
役人を殺そうと決めた時から自分の感情は麻痺していたのかもしれないと、リノは自嘲した。
「――火北の役人は随分と酷なことをするのだな」
いつの間に現れたのか、リノの目の前に美しい少年が立っていた。