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みんな同じ空の下
第6章 少女が「女」を捨てた日 ~其の壱:十年前~
ハクトがまず降り、手を差し出してリノが馬車を降りるのを助けた。
馬車を降りたリノの目に入ったのは、大きな邸だった。
ずらりと並んだ邸の使用人と思われる者たちがハクトとリノを迎え入れる。
「お帰りなさいませ」
出迎えた者の中から年配の男が一歩進み出た。
どうやらこの邸の家令のようだ。
「ああ、戻った」
「火北からの早馬にて知らせは届いております」
家令と思われる男がちらりとリノを見遣る。
火北からの知らせ。
ハクトはリノを預かり、監視すると言っていた。
リノは、牢にでも入れられてしまうだろうかと考えていたが、その予想は完全に外れていた。
馬車を降りたリノの目に入ったのは、大きな邸だった。
ずらりと並んだ邸の使用人と思われる者たちがハクトとリノを迎え入れる。
「お帰りなさいませ」
出迎えた者の中から年配の男が一歩進み出た。
どうやらこの邸の家令のようだ。
「ああ、戻った」
「火北からの早馬にて知らせは届いております」
家令と思われる男がちらりとリノを見遣る。
火北からの知らせ。
ハクトはリノを預かり、監視すると言っていた。
リノは、牢にでも入れられてしまうだろうかと考えていたが、その予想は完全に外れていた。