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みんな同じ空の下
第7章 少女が「女」を捨てた日 ~其の弐:三年前~
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リノは、悪い夢を見ている気分だった。
目の前で、ハクトが殴られている。酔っているせいで手加減の効かない男達は意識が飛んで無抵抗のハクトに尚も拳をぶつけ、蹴り上げた。
「お願いだからやめて下さい!ハクト、ハクト、ハクト!」
リノはただ、ぼろぼろと涙を流してはハクトの名を叫んでいた時だった。
誰かが呼んでくれたのだろうか、警備局の支部である砂西警備部の者が駆けつけ、男達はハクトから引き剥がされた。