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第7章 少女が「女」を捨てた日 ～其の弐：三年前～

ハクトの全身には皮下出血や擦過傷が見られ、鼻や口角にも血が滲んでいる。
リノを拘束していた男はリノを突き飛ばして逃げたが、酔っているせいで足がもつれて転んだ末、警備部の人間に捕縛された。
その後、ハクトは治療院に運ばれ、薬師の診療を受けた。暴行を全身に受けてはいるが、幸いにも内臓への影響はないらしい。
リノは他の同行者や邸から連れてきた使用人に事情を伝える為、彼らが休んでいる宿屋へ走った。
リノは報告後、張り詰めた緊張の糸が切れ、そのまま倒れ込んだ。