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みんな同じ空の下
第3章 男を装う女
火北地方、朱緋村(アケヒむら)。
偶々この村を訪れていた青年の耳に、耳障りな高い声が聞こえてきた。
年の頃は五つか六つ程の子どもが、役人と思しき小太りの男に吠えている。
「うちにはもうお金はないんだよ!お役人様達はこの前たくさんお父ちゃんの稼ぎを取り上げたじゃないか!なのにまだ取るつもりなの!この人でなし!」
どうやら税を納められない家の子どもが、役人の徴収を阻止しようと騒いでいるようだ。
「小童(こわっぱ)が…っ、殴られたいのか!」
役人が凄みを利かせた声で怒鳴ると、子どもの体が竦んでしまった。
偶々この村を訪れていた青年の耳に、耳障りな高い声が聞こえてきた。
年の頃は五つか六つ程の子どもが、役人と思しき小太りの男に吠えている。
「うちにはもうお金はないんだよ!お役人様達はこの前たくさんお父ちゃんの稼ぎを取り上げたじゃないか!なのにまだ取るつもりなの!この人でなし!」
どうやら税を納められない家の子どもが、役人の徴収を阻止しようと騒いでいるようだ。
「小童(こわっぱ)が…っ、殴られたいのか!」
役人が凄みを利かせた声で怒鳴ると、子どもの体が竦んでしまった。