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みんな同じ空の下
第3章 男を装う女
役人が横暴なのは今に始まったことではないし、下手に介入して自分の首を絞める可能性を高くする必要はない。
それでも、目の前で起きている不条理に、青年は目を瞑ることが出来なかった。
一歩前に進み出たその時。
「やめなさい!」
髪を一つの束にして高い位置で結い上げた少年が、役人と子どもの間に入った。
「なんだ貴様は」
役人がじろりと少年を見下ろす。
「警備局第二警邏隊のキオ・メイと申します」
青年はキオと名乗る少年が所属する組織の名を聞いたことがある。警備局とは国の治安を守ることを目的に作られた国家機関。
屈強な男達が集まっているとばかり思っていたが、あんな細身の少年もいるのか。
それでも、目の前で起きている不条理に、青年は目を瞑ることが出来なかった。
一歩前に進み出たその時。
「やめなさい!」
髪を一つの束にして高い位置で結い上げた少年が、役人と子どもの間に入った。
「なんだ貴様は」
役人がじろりと少年を見下ろす。
「警備局第二警邏隊のキオ・メイと申します」
青年はキオと名乗る少年が所属する組織の名を聞いたことがある。警備局とは国の治安を守ることを目的に作られた国家機関。
屈強な男達が集まっているとばかり思っていたが、あんな細身の少年もいるのか。