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みんな同じ空の下
第7章 少女が「女」を捨てた日 ~其の弐:三年前~
――ぬるま湯に浸かっていたお嬢ちゃん。
たしかにリノはこの七年、甘やかされて育ったのかもしれない。
だが、力をつけたい気持ちは本当だった。
お嬢ちゃんのままは、嫌だから。
ハクトを守れる人間になりたい。
男に負けないくらい強くなりたい。
男のようになれば、それは叶うだろうか。
ならば、無力で守られてばかりの女の肩書きなんか、こっちから捨ててやる。
リノは地面に刺さっていた剣を抜いた。 長く艶やかな髪を片手で一つに束ね、刃を当てると、それを一気に切り落とす。