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第7章 少女が「女」を捨てた日 ～其の弐：三年前～

庭に入るとき、まずセンの姿が見えた。汗をじっとりとかいている。続いて目に入ったのは、襟元で切りそろえた黒髪を乱しながら、センに剣を向けている者の後ろ姿だった。
誰だろうかと訝しんでいると、顔が見えた。
「…！？」
ハクトは目を見開いた。
髪は短いが、その顔は間違いなくリノであった。
髪が短いだけではない。衣服は男物で、化粧もしていない。見た目だけなら少年のようなリノに、ハクトは驚きを隠せなかった。