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第8章 少女が「女」を捨てた日 ～其の参：二年前～

リノが武術を習い始めて一年が経った。
武術において、並々ならぬ努力でセンの厳しい指導の下に鍛錬を積んだリノは、たったの一年で今やそこらの男が適わぬほどの上達を見せていた。
ハクトの怪我はあれから半月ほどで完治し、経過も良好であった。
舞砂での一件で、国の治安に不安を覚えたハクトは完治して早々に警備局に入った。
警備局に入ってすぐ、その突出した能力の高さを買われたハクトは、翌年には監理官となることが内定した。
警備局ではここ最近世間を騒がせている咬龍団なる盗賊についての調査が続いており、中でもハクトは責任の重い仕事を請け負っていた為、多忙を極めていた。