この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
みんな同じ空の下
第8章 少女が「女」を捨てた日 ~其の参:二年前~
「ハクト、私も警備局に入れることになりました」
十六歳になったリノがそう言ってハクトに見せたのは、警備局に入るための試験に合格した時に渡される証明書だった。
「…ただ、リノという女が入るということは、あまり外聞が良くないため、私はキオと名乗ることにしました」
「キオ?」
「はい。男の名で、男として入るなら合格を認めて下さるそうです。やはり女ではいけませんね」
リノが髪を切って一年。少し髪が伸びた今も一見すると少年のような風貌をしている。
十六歳になったリノがそう言ってハクトに見せたのは、警備局に入るための試験に合格した時に渡される証明書だった。
「…ただ、リノという女が入るということは、あまり外聞が良くないため、私はキオと名乗ることにしました」
「キオ?」
「はい。男の名で、男として入るなら合格を認めて下さるそうです。やはり女ではいけませんね」
リノが髪を切って一年。少し髪が伸びた今も一見すると少年のような風貌をしている。