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夢のうた~花のように風のように生きて~
第4章 《運命の邂逅》
それでは、あまりにも厚かましい。見ず知らずの他人の家に、しかも若い男の家に上がり込んでそのまま住み着いてしまうなんて、お千香の常識の枠をはるかに越えている。
「それじゃア、こうしちゃあどうだい。お前には三度の飯の支度を頼むよ。その代わりに、お前は堂々とここにいられる。それで手を打とう」
「徳松さん―」
熱いものが込み上げてくる。しかし、この涙は定市の仕打ちの数々に対して流したものとは異なり、うれし涙であった。