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夢のうた~花のように風のように生きて~
第5章 《花塵》
「この駕籠に乗ってくれ。後は駕籠が連れていってくれるだろう」
 礼を言おうとする間もなく、駕籠の筵が降ろされ、男の顔は見えなくなった。その時、
―悪く思わねえでくれよ。
 そんな呟きが聞こえたように思ったのは、空耳だったのだろうか。
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