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夢のうた~花のように風のように生きて~
第5章 《花塵》
 お千香らしい、流れるような手跡で遺書は書かれていた。
 この手紙は、お千香の死後二ヶ月を経て、漸く文箱の中から発見された。というのも、昨日になって、定市がやっとお千香の身の回りの遺品を片付けるようにと言ったからだ。
 定市はどうやらお千香の部屋を片付ける気にはなれず、生前使っていた居間と続きの寝室は、お千香が生きていた頃そのままの状態に保つように命じ、おみつはそのとおりにしてきた。
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