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夢のうた~花のように風のように生きて~
第6章 あとがき
 あとがき

 岡山では桜便りを聞いてから、かえって寒い日が続いています。それでも、桜はもう四分くらいは咲いていて、早く花見に行きたいなぁと考えているのですが、なかなかチャンスがありません。
 さて、最新作「夢の唄」をお届けします。 このお話は、元々、和菓子屋さんの包み紙にあった短い三行の詩から生まれました。
 お千香の乳母おみつが子守唄として歌っていたという歌です。原案そのものができたのは、もう二、三ヶ月(もしかしたら、もっと前かも)でした。おおよその筋はできていても、細かい人物設定が今一つ決められなくて、書き出せなくていたのです。
 というのは、主人公をどのようにするかということでした。最初は両性具有の少女として考えていたのですが、そうなると、話が少し複雑になるし、はたまた、そういう人物を描いたことはなかっので、少し不安でした。
 で、実は男の子だけど、女の子として育てられたということにしようかと考えました。そういう話はこれまでにも何度かチャレンジしたこともありますし(私は、そういうジャンルを〝とりかえばや物〟と呼んでおります)。例えば、「花ごよみ」シリーズの吉弥などです。最近書いた「白桜記」のおさとの方はその逆で、実は女が家の事情で男として育てられたのでした。
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