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夢のうた~花のように風のように生きて~
第2章 《悲劇の始まり》
「きれいだ。お千香、何てきれいなんだ」
 定市が恍惚として、お千香の裸身を眺めおろしていた。
 固く眼を閉じていても、その眼からは涙が溢れ続ける。お千香はあまりの恥ずかしさでその場から消えてしまいたかった。
―おとっつぁん。何で、私だけ置いて死んじまったりしたの? 私も一緒に連れて行ってくれれば、こんなに辛い思いをしなくても済んだのに。
 お千香は溢れる涙をぬぐうことすらできなかった。
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