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夢のうた~花のように風のように生きて~
第3章 【手折られた花】
ある日、おみつが急に休みを取ることになった。嫁いだ娘がいよいよ産気づいたとかで、駆けつけることになったのだ。おみよには飾り職人の良人との間に二人の娘がいて、末の娘がお千香と同年であった。お千香が誕生の際、おみつは特に請われて、生まれたばかりの我が子を家に置いて、美濃屋に奉公に上がったのである。
おみつは、夕刻から翌日の昼過ぎまで暇を取っていた。お千香はここひと月ばかりずっとおみつと共に眠っていたこともあり、やはり心細さを感じずにはおれなかった。
おみつは、夕刻から翌日の昼過ぎまで暇を取っていた。お千香はここひと月ばかりずっとおみつと共に眠っていたこともあり、やはり心細さを感じずにはおれなかった。