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限りの月
第5章 恐怖
それは、自分だった。

髪型も、顔も、背の高さも、声も…
どこから見ても自分にしか見えなかった。

「…あ…あ…」

美織の手足がガクガクと震える。

自分と全くそっくりな自分が、見たこともない男性に笑いかけ、自分の家に招き入れているのだ。

「…っ」

美織はわけがわからなくなり、夢中で走り出した。

(いやっ…誰か…誰か助けてっ…!!)



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