この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
喘ぐなら、彼の腕の中で
第14章 爆発

自分の気持ちを抑える事が出来たのは、相手が兄貴だったからとも言える。
沙月が兄貴に惚れたように、兄貴も沙月の事が好きだと俺は分かっていた。
本当は陽気でよく喋る兄貴が、沙月の前だけはおっとりした男を演じていたからだ。
歳の離れた1番上のカズ兄と違って、3つしか違わない兄貴と俺は喧嘩してばかりだったけど
俺は兄貴のことを心から慕っていたから
好きな2人が一緒になるなら、俺の想いも報われると子供ながらに思っていた。
だから
あの日、10歳の沙月が海の前で号泣している姿を見た時は
今まで抑えていた、色んな感情が一気に爆発した。

