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喘ぐなら、彼の腕の中で
第17章 この手を、もう一度

「~~~~!!」
ぶわっと涙が溢れる。
堪らなくなって、私は莉央から手を離すと
座ったままの莉央の首に抱きついた。
「……離すなっつったのに」
「そんなに軽く言わないでよ!
“ 一生 ” って意味、ちゃんと理解してないでしょ!?」
「お前が先に口にしたんだろーが」
「私は本気だもん!!」
「俺だってそうさ」
莉央は私の背中に手を回すと、そのまま私を引き寄せた。
「ありがとう、沙月」
「……っ」
「嬉し涙だとしても、もう泣くなよ。
お前には笑っていてほしい」
………その言葉が
涙腺を崩壊するトドメだって、分かってるくせに。
太陽が完全に沈んで、莉央の笑顔が見えなくなっても
私はその愛しい体に抱きついたまま、離れることができなかった。

