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喘ぐなら、彼の腕の中で
第18章 超ズルい

「20年の時を経て、想いが届くなんて素敵よねぇ」
おふくろはしみじみと呟いた。
「ランドセルを背負った沙月ちゃんから、こっそり耳打ちされて
翔太を好きだって聞いた時は、莉央が可哀想で眠れなかったわ」
「……なんだよ、気付いてたわけ」
「そりゃ母親ですから。
あんたが泣く泣く沙月ちゃんを振った時、私はガッツポーズさせていただきました」
「………」
三兄弟を平等に扱っていたつもりだろうけど
なんだかんだいって、おふくろは莉央を1番溺愛していた。
過剰に気を遣いながらも、俺達が何かしてやると嬉しさを隠せない莉央。
俺もカズ兄も結局はその笑顔にやられ続けていて
この年になっても莉央が可愛くて仕方ない。
「ブラコンね♡」
おふくろが横でニヤニヤと笑う。
煙草を携帯灰皿に潰して、否定できない俺は溜息をついた。

