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花の咲くころ
第6章 こ
博之先輩の彼女はあたしの3個下で何度か大学で顔を見た事があるから
2人はすんなりあたしを受け入れてくれた。

映画が終わった後に飲みに誘われて
お断りしたんだけど
雅哉先輩が「来てくれないと俺が仲間外れだから」と
あたしに行く理由を探してくれた。
雅哉先輩は昔から凄く優しい。
シスコンがなければ本当にいい人なんだけど・・・

駿ちゃんには「ごはんは食べて帰るね」
そうメールした。
たぶん。昨日の今日で今日も遅いんだろう。
あたしが待っていないと分かった方が
心置きなく仕事が出来る。

気の良い3人はあたしが突然入ったことなんか
全く気にさせないような楽しい飲みだった。

「そっかぁ。花の彼氏はあの経営管理の楠さんか」
「雅哉先輩知ってるんですか?」
「有名だからな。あの人たち3人は優秀すぎるから」

雅哉先輩から聞いた話だと
そもそも経営管理部に新入社員は配属にならないらしい。
それがいきなり3人が配属されて話題になったらしいと
2期下の雅哉先輩たちも知っているぐらいだった。

「そうなんですか」

「なんたって新人研修の指導を部長がやったらしいじゃん。
後にも先にもあの3人だけだってさ」
「へ~・・・」

そんな会社での駿ちゃんの顔を初めて垣間見た気がした。

「それより雅哉。山梨に行く話どうなった?」
「あぁ。毎週末横浜に帰してくれって交渉中」
「げ!2年目でそんな要求会社に出来るお前が凄い」

雅哉先輩は山梨への移動の話が出ているらしかった。
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