この作品は18歳未満閲覧禁止です
最初に出逢った日のように~一片丹心・300年の恋~
第2章 過去世の記憶
要するに、それ以降の幾とおりの人生も彼にとっては意味のあまりないものなのだ、ということらしい。そして、何故、転生を繰り返すほどにこの世に執着を残しているかといえば、待ち人にいまだ逢えないからというのが理由だという。
その待ち人というのが、三百年前に直宗だった彼が生涯でただ一人愛した女性和嬪こと蘇明姫なのである。それほどまでに愛した女性と何故、何度も転生を繰り返しているのに、再会できないのだろうか。