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最初に出逢った日のように~一片丹心・300年の恋~
第2章 過去世の記憶
その花びらが数枚、ファヨンの漆黒の長い髪に降りかかる。ジュンスは手を伸ばし、彼女の肩と髪についた可憐な薄紅色と純白の花びらを指で掬い上げた。
何かを希(こいねが)うかのような瞳をこれ以上、見ていられない。
「あなた、やっぱり、頭がおかしいのよ」
ファヨンは叫び、立ち上がった。折しも黄昏れ時に差し掛かり、オープンカフェは殆ど満席だ。大声を出したファヨンを周囲の客たちが好奇心も露わに見つめている。