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最初に出逢った日のように~一片丹心・300年の恋~
第4章 何度でも、あなたに恋をする
更に苦しい息の下、彼女は記憶の糸を手繰り寄せる。その薬湯を運んできたのは、見たこともない若い女官で―。
私の出産で殿舎も忙しいから、別の殿舎から応援の女官が寄越されたとしても、おかしくはない。だから、見かけない顔の女官だったとしても、怪しいとは思わなかった。
けれど。もう少し慎重になるべきだったかもしれない。仮に、あの見かけない女官が運んできた薬湯に毒が紛れ込んでいたとしたら?