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最初に出逢った日のように~一片丹心・300年の恋~
第2章 過去世の記憶
 かといって、ファヨン自身は今日は初めてで美絵に熱心に口説かれてここに来たけれど、次回からは来るつもりはない。気乗りもしない中にぼんやりとメニューを眺めていると、ふいに頭上から声が降ってきた。
「いらっしゃい。当店のお薦めはオリジナル・カフェドリンクですよ」
 聞き憶えのある声に、ファヨンは弾かれたように顔を上げる。見れば、例の少しばかり頭のネジの緩んだ男が立っていた。ファヨンを明姫と呼び、知り合いだと勝手に決めつけた失礼なヤツだ。
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