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吼える月
第17章 船上2
サクに触れられた部分が熱を持って、身体に拡がる――。
ユウナは波紋のように次々と拡げ来る快感に、息を乱して喘ぎ続けた。
サクが施す熱は、まるで水面に落とされた一滴。
静かに細波だっていた身体に変化をもたらし、大きく波紋を作っては拡げ……、それが消えぬうちにもまたもたらされる一滴に、水面は絶えずざわめき続ける。
先ほどまでの穏やかさはなんだと思うほどに水面は揺れ続けるのに、それは荒々しいものではなく、あくまで優しく。……もどかしく。
そして、水紋は深く刻まれ、水面は傍目でわかるほどに大きく波立っていく――。
「サク、ああ……っ、気持ちいい……っ、サク、ぁあ……あぁぁんっ」
身体に走る甘い衝動。
このまま快楽に流されたいと思うのに、ひとりでは流されたくはないという強いユウナの自制心が、サクの背中に爪痕として刻まれてゆく。
肌を抉られる痛みを感じながらも、サクは微笑みながら抵抗はせず、ただ一心にユウナの身体を愛でた。
「サク……サクっ」
ユウナの手がサクの背中から滑り落ち、乳飲み子のように胸を愛撫続けるサクの頭をぎゅっと両手で抱えた。
抱えながら、弱々しい……乱れた息を必死に整えようとした。
「姫様……っ、そんなにされると……なにもできませんよ…?」
くすりとした笑い声が胸元から聞こえて、素直に力を抜くユウナには、サクの愛撫を嫌がる様子はなく、むしろ、太腿をもどかしく撫でるサクの手を誘うように、サクの足に巻き付いたその足を少しずつ拡げていく。
サクの手を内股に導いていく――。
「姫様……今度は下がいいんですね?」
「違……っ」
「だったら……ここでやめていいんですか?」
下衣を捲り上げながら太腿の側面を撫でているその手が、ユウナの膝裏を掬うようにして、さらにぐいと脚を大きく持ち上げるように拡げると、その指先が柔らかな内股に滑りこんだ。