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吼える月
第17章 船上2
 

「ああ……っ、あああっ、んん……ああああっ」


 サクの尖端の堅い部分が、ユウナの花芯を強く摩擦する。

 牡の猛りは、ユウナの悦ぶ場所を制圧しようと集中的に動く。

 単調な動きだけではなく、サクはただ愛おしい姫をもっと悦ばせたい一心で、己自身を色々な角度で攻めた。

 彼が挿れたくて仕方が無い……蜜壷以外を。


「姫様、すげぇ……。表面だけなのに、なんでこんなに……悩ましげに俺を包み込むですか。ああ、姫様……蜜、溢れすぎ。俺を……どうしたいんですか!!」


「そんな、こといったって……っ!!」


「ああ、蕩けそうだ。姫様と……蕩けて、消えてしまいそうだっ」


 吼えるようなサクの艶っぽい声が、さらにユウナの気分を昂ぶらす。


「サク、ああ、サク――っ」

 ユウナの手はサクの背中に落ち、盛上がった上腕筋に爪をたてた。


「……っ、姫様……っ、姫様……ぁっ、気持ちいいですか?」

「うん……サク、気持ち……いいっ。サクは……ねぇ、サクは……!?」

「すげぇ……気持ちいい。は……っ、たまらねぇ……です。当然でしょう……? 姫様に……触れているんだから」


 うっとりとした顔ながらもどこか苦しげで。

 急いたような呼吸をするふたりは、互いの恍惚とした顔にさらに身体を疼かせ、大胆に感じる部分を擦りあわせた

 互いが与える快感に素直に酔い痴れ、互いの表情に欲情し、離れたくないというようにきつく抱擁し合い、下半身を淫らに動かす。

 ……傍目では、繋がっているかのように。


 淫らな粘着質な水音が忙しく奏でられ、互いの喘ぎがそれに重なる。

 顔を合わせば、唇を重ね合わせたい衝動を必死に堪えて顔をそむけあい、だが相手の顔を見たいと、幸せな顔を確かめたいと求め合う。

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