この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第21章 信愛
 


 苦しいほどに愛が溢れているのに、それを見せられない。

 苦しいほどの独占欲を、言葉に出来ない。


 どんなにユウナの体に愛を伝えても、この想いのすべてが心まで届く確証はない。だがそれしかとるべき手段がないのなら、こうして想いの丈をユウナの体に刻みつけて、この想いの中に捕らえるしかなかった。


 誰にも渡したくない――。

 もう二度と、あの辛さは味わいたくない――。


 滾る想いが、逆流するようにサクの胸を焦がす。


 泣きたいほど、苦しいほど、ユウナが愛おしくて仕方がない。

 同じくらい、想いを返して貰えたら――。


 自分に染まれと、願いを込めてサクはユウナの肌に所有の刻印をつける。


 どこにも逃れられないほど、強固に作った愛の檻の中で、自分だけを愛してくれるように。他の男の影を上書きするように。



「姫様……っ」



 サクが押えきれぬ想いに苦しげな表情をしていることに、ユウナは気づいていなかった。


 ただひたすら、サクが肌に施す口淫に耐えるのが精一杯で。

 酒の香りと共に妖しく広がるサクの男の艶に、飲み込まれないよう自制するのに精一杯で。


「ん……くちゅっ……姫様……」


 何度も何度も押されていく、サクの刻印。

 肌を吸われる痛さが、どんなものに変化していくのか、ユウナは知らず。

 だがそれは不快どころか、痛みを感じれば妙な感慨がわき起こった。


 サクが肌に残っている……そんな喜悦。


 サクを知った体は、サクが熱を伝える度に、サクと溶け合う喜びを思い出す。今まで何度も抱きかかえられたりと接触していたくせに、発熱する肌に触られれば、たまらない気分になる。

 もっと強く抱きしめられたいと思ってしまう。
/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ