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吼える月
第21章 信愛
なんて艶気なのだろうか。
定期的に蕾を押し潰しながら、サクの艶香に意識を朦朧とさせたユウナは、その汗を舌で舐めとれば、なにか訴えかけるような気怠げな眼差しを寄越すサクと視線が絡み、鼓動が早まった。
どうしてこの男は、こんなに艶気に満ちているのだろう。
今まで武神将になるべく、身体を鍛え上げてきた……禁欲的にも思える献身的な精神で仕えてきたのに、どうしてこんなに……、男娼のような艶を惜しげ無く見せるのか。
抵抗できる肉体があるのに、どうしてここまで無防備になされるがままなのか。……色街の女にもこんな姿を見せたのだろうか。女達はサクを、どう思ったんだろう……。
胸の奥がちくちくとして、いらいらした。
サクは、あたしのもの――。
あたし以外の前でこんな姿は見せさせない。
……サクがこんな乱れた表情を見せるのは、恋い焦がれる相手だからというという答えを見つけられないユウナは、興奮と悲哀を半々に混ぜたような顔をしながら、サクの艶にのぼせてしまったように、サクを愛でたい心を暴走させた。
「サクも……ここ、気持ちいいの?」
「……んんっ」
返答の代わりにただ艶香をまき散らしかのように、目許をほんのりと赤らめさせて蠱惑な悶え顔を見せるサクに、ユウナもまた同調するように扇情的な表情を見せた。
こんなに鍛えた身体をしていながら、自分と同じ部分が弱いのかと思えば、まるで自分の蕾を弄られた気分になった。
秘部がじんじんと熱くなり、サクの足の上でもぞもぞと動き出したことを知らず。
サクの呼吸に合わせるように、急いたような不安定な息を始めるユウナは、たまらずサクの硬くなった蕾を口に含んで、ちろちろと舌で転がした。
「あ……っ」
ああ、サクの官能的な声はなんでこんなに身体が疼くのだろう。
「気持ちいい? サク……ねぇ?」
「ああ、なんで……俺、こんな……女みてぇに……っ」
「サクぅ、ねぇサク……」
ユウナは蕾をひっぱったり押し潰したり、歯を立ててみたり。そんな悪戯に夢中になってしまった。
「やべ……っ、興奮しすぎて、このままだと……っ。俺……っ」
……そう切羽詰まったように呟いたサクの手が、動いていることも知らずに。