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吼える月
第21章 信愛
"同調"
イタチはそう言った。
だったら、どちらかが感じる快感に反応してそれに煽られ……と延々と無限に快感の高みに駆け上るとでもいうのだろうか。
これこそ本当に"イタチごっこ"。
『いっいっいっ』
ああ、イタチのあのおかしな笑い声が聞こえて来そうだ。
……そんなことを考えても、興奮は収まらない。
ますますユウナの愛撫に熱が籠り、自分の口から喘ぎ声が強まるだけだ。
これでふたり……いや自分が果てることがあるのなら、あまりに情けない。あれだけ、想いが通じたユウナとひとつになることを夢見て、過去必死に我慢に我慢して鎮めてきたのに、こんなことで吐精したくない。
色々……哀しすぎる。
そして……今は胸の頂きに夢中になっているらしいユウナが、前の事を思い出し、この芯をもってそそり立ってきた肉棒に興味を示したら。
"サクをもっと気持ちよくしたいの"
今のこの切羽詰まった心境で、そんなことを言われて触られてしまったら、止める自信がない。
折角ここまでに回復したユウナの、凌辱という心的外傷を蘇生させる象徴を、生々しくさらけ出すリスクは、あまりに大きい。
両想いとはいえず、ただ儀式の余韻から身体が興奮状態の今の状況では。
ああ、だけど。
触れたい。
ユウナに触れたい。
同じ快感を得たい――。
繋がりたい。
貫きたい。
溶け合いたい。
ひとつになりたい――。
「サクぅ、気持ちいい? ねぇ、これはどう?」
もうそんなことを尋ねられなくなってしまうほど、ただ闇雲に求められたい。自分がユウナを渇望しているこの想いと、同じにさせたい――。
なあ、ユウナ。
お前はどこまで俺を、お前に染めさせてくれる?
どこまで俺に染まってくれる?
どれくらい、心がある?
……サクの手が動いた。