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吼える月
第21章 信愛
 

「サク、サク、クる、また、また――っ」

「いいですよ、また感じまくって? 俺はここにいますから」

「サクも、サクも――っ」

「俺は、姫様が俺ので感じてくれたら、一緒にイきます」

「本当、本当?」

「ええ、俺の可愛い姫様。俺はずっと一緒にいます。いさせて下さい」

「うん、うんっ。サク、サク……、ああ、やああああっ」


 ユウナが呼吸を乱したのは、恥毛をまさぐっていたサクの手が、秘部の前にある淫らな粒を擦り始めたからだった。

 同時に胸の蕾も強い刺激を与えられる。

 そして、淫靡な音をたてながらサクの肉棒が花園を大きく荒していく。


「駄目、駄目駄目、そんなに一杯駄目、サク、サク…っ」

「駄目じゃねぇです。可愛いイキ顔、見せて下さい」


 そして耳まで愛撫してくる。


 サクの荒い声がユウナの呼吸に重なり、サクの激しくなった動きがユウナの快感のせり上がりを強めていく。ユウナの内股がぶるぶると震え出す。


「サク、サク、サク、あああ、駄目、駄目、あああ、ああああっ」

「姫様、イッて。俺ので、せめて――」

「さ、く、サク、一緒にねぇ、一緒に……っ」


「心を、下さい、姫様……」


「サク、サク、ああ、あああああっ、あた、し……あたし……っ」


「早く、俺を……愛して」



「あ、ぁぁ……ああああああっ、キた、キた、サク、サク――っ」



「早く俺を好きになれ、ユウナ――っ」




「あああああああああっ」





 サクの雄叫びと同時に、ユウナが絶頂を迎えた。

 力なく崩れるユウナから、引きずり出すのはサクの猛ったままの肉棒。



「はあっ、はあっ、はあっ」


 イキたい……。

 ユウナのナカで、イキたい……っ。



 だけど、心がないのなら――。


 聖なるユウナを、自分の欲で穢したくない。



 それだけは。

 それだけはしたくない。


 ユウナは、性処理の女ではないから――。



「――くっそぉぉぉぉぉっ!!!」




 サクは、拳を力一杯床に打ち付けて、やり場のない想いを…天井を振り仰ぐようにして叫んだ。

 

 ……迫り来る、影に気づかずして。
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