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甘く、深く、繋がって
第10章 戻れない日常
斎藤さんに送ってもらってアパートに帰ってきた。

何となく、久しぶり?

結局週末はずっと斎藤さんの家で過ごす事になってしまった。
金曜の朝は起き上がれなくて、本当に仕事を休んでしまうし。
斎藤さんの出勤時間ギリギリまで悪戯されて、一人になってようやく眠れたと思ったら黒田さんからのメールに起こされた。何て事はない、体調を案じる普通のメール。
ため息が零れた。
投げ出した手から滑り落ちた携帯をそのままに、溺れるように眠りについて。途中喉が渇いて起きて水を飲んだりもしてたけど、そんなのすっかり忘れてた。

帰って来た斎藤さんにメールを開いたままの携帯を拾われるなんて……

結果、斎藤さんがお仕事に行った土曜日以外、持ってきた服の出番はなかった。
今朝は加減してくれたみたいだけど、十分腰が重怠い。

啼かされ続けた濃密な時間。
嫌だったハズ。なのに、思い出すとじわりと潤う。身体が、火照る。

ヤ、だ……

仕事、仕事。

続けては休めない。
それに、もし休んだのが斎藤さんにバレてしまったら、今日、月曜日『グラン・ブルー』は定休日。きっとまた……

……シャワー、しよう。

時計を確認し、私は浴室へと向かった。
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