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甘く、深く、繋がって
第12章 軋む心
誰?
何で知ってるの?
この人も来てたの?
あんな人混みのなかで、見られてた?
どうしてそんなこと聞いてくるの?
それに『拓真』って……

一度に湧いてきた疑問が頭の中をグルグル回る。
「何であなたなんかが一緒に行ってるのよ」
応えを返せない私に、彼女の冷たい視線が刺さる。

な、何でって……

爪先からてっぺんまでじろじろと不躾に観察されて
「その幼い顔と厭らしい身体で拓真に迫ったんだ?」
蔑む口調に心が冷えた。
「道理で最近あっさりシてると思った」
意味ありげに言って明らかな敵意を向けてくる。
「拓真の新しいモノ好きも困るなぁ。こんな近くで手を出されると顔合わせちゃうじゃない。ねぇ?」

同意を求める間投助詞。でもそれは私を排除する呼び掛けの感動詞。
流せたハズの言葉がまた甦る。

『セックス出来れば良いんだって』

……違う。
だって『愛してる』って『真純だけ』って何度も言ってくれたもの……
あんなに優しくして、くれるもの……

「あー、拓真あなたに愛してるとかあなただけとか言った?」
まるで見透かした様に冷たい声が横から降ってきた。
「それ、口説く時の常套句だから本気にしないでね」
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