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甘く、深く、繋がって
第13章 苦い惑い
翌日『気分転換をしよう』と言って、はるちゃんが外に連れ出してくれた。
セレクトショップの点在する街を歩いて、お互い気になったお店を見付けたら立ち寄って。はるちゃんは可愛い雑貨屋さん、私は写真や絵画の小さなギャラリー。
たまたま入ったお店のランチが美味しくて、得した気分。
午後は数年前に出来たプラネタリウムを観に行って、静かな和カフェでお茶をして……
何も聞かずに居てくれたはるちゃん。
それはきっと田中さんから事情を聞こうとして私が過呼吸を起こした事を聞いたから……
私ははるちゃんに話せるのかな……
あの時の事を思い出すと胸が引きつれるように痛い。ギューッと苦しくて、つい呼吸が大きくなって、ますます息苦しさが増していく。
……コワい。
「真純」
はるちゃんに呼ばれて顔を上げた。
心配そうに覗き込んでくる顔を捕えた視界のバックに見慣れたマンション。自分の家の前についていた。
「明日も休めないの?」
「……」
「一緒に帰ろう?」
優しい言葉に心が温まる。
「大丈夫」
明日休んでも、この苦しみは変わらない……
「そう?」
無言で頷き、歩みを再開した。
セレクトショップの点在する街を歩いて、お互い気になったお店を見付けたら立ち寄って。はるちゃんは可愛い雑貨屋さん、私は写真や絵画の小さなギャラリー。
たまたま入ったお店のランチが美味しくて、得した気分。
午後は数年前に出来たプラネタリウムを観に行って、静かな和カフェでお茶をして……
何も聞かずに居てくれたはるちゃん。
それはきっと田中さんから事情を聞こうとして私が過呼吸を起こした事を聞いたから……
私ははるちゃんに話せるのかな……
あの時の事を思い出すと胸が引きつれるように痛い。ギューッと苦しくて、つい呼吸が大きくなって、ますます息苦しさが増していく。
……コワい。
「真純」
はるちゃんに呼ばれて顔を上げた。
心配そうに覗き込んでくる顔を捕えた視界のバックに見慣れたマンション。自分の家の前についていた。
「明日も休めないの?」
「……」
「一緒に帰ろう?」
優しい言葉に心が温まる。
「大丈夫」
明日休んでも、この苦しみは変わらない……
「そう?」
無言で頷き、歩みを再開した。