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甘く、深く、繋がって
第13章 苦い惑い
みゆきが警察は自分の味方だと言いたげにニタリと笑う。
「良いよ。お前の顔覚えてもらうだけだから」
「……」
「お前を見掛ける度に相談に行けば、どうなるだろうな」
「……」
みゆきの表情は無。
真っ直ぐ俺を見上げてついてくる。そろそろ駅が見えて来るかという所まで戻って、ようやく足を止めた。
「そうね。今日は帰ることにする」
「二度と来るな。あぁ、分かってると思うけど、俺の周りに関わったらただじゃおかねぇよ?」
同じく足を止め、振り返って念を押す。
「……何よ、それ。そんなに大事?」
不機嫌そうなみゆきの声。その低さは真純を卑下してるように思われて、冷や汗が出た。

……把握されてる
というか、もう接触されてるかも知れない

「あぁ大事。誰にも関わるな」
正面から睨み付けると、みゆきはこれ見よがしにため息を吐き、頭を振った。
「つまんない。せっかく会いに来たのに……じゃあね」
俺の横を通り抜け、駅へと向かう。その後ろ姿が角を曲がり、戻ってこないのをしばらくの間確認する。

あの女、返事せずに行きやがった……

募る不安。
どうやって真純を避難させるか。その手段を考えながら、マンションへ向った。
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