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甘く、深く、繋がって
第14章 疑心暗鬼
「真純」
柔らかいテノールが耳朶を揺らす。ドキッとして一気に顔が熱くなった。斎藤さんの腕の中、あの匂いがしない事にホッとする。
パタンと後ろで空気が震えた。続いてカチリ鍵の音。
あ……
この前と同じ状況に、心臓はフル回転。
「夜まで待てなかったの?」
そっと腕を解いて斎藤さんが覗き込んできた。
「ぁ、そ、その……」
恥ずかしくて顔を上げられない。そんな私にふふっと笑う。両手で頬を包まれて、スイッと上を向かされた。
「来てくれてありがとう」
少し目尻の下がった甘い眼差し。優しい笑顔にもっとドキドキして、慌てて目線を逸らす。
「あぁぁあの……」
「……何?」
「おし、お仕事、大丈夫なんですか?」
スムーズに話せない自分がもどかしくて、斎藤さんの服をキュッと掴んだ。
またふふつと笑う声。
「今日は特別。ちょっとだけ大丈夫」
左右から頬をふにふにと摘まれて、その手が腰に滑り落ちる。グイッと引き寄せられて、机に浅く腰掛けた斎藤さんの脚の間に捕われた。目線の高さが近くなって益々もって恥ずかしい。
「一緒に来てる人、友達?」
「あっいえ、田中さん部署違うんですけど、会社の先輩です」
柔らかいテノールが耳朶を揺らす。ドキッとして一気に顔が熱くなった。斎藤さんの腕の中、あの匂いがしない事にホッとする。
パタンと後ろで空気が震えた。続いてカチリ鍵の音。
あ……
この前と同じ状況に、心臓はフル回転。
「夜まで待てなかったの?」
そっと腕を解いて斎藤さんが覗き込んできた。
「ぁ、そ、その……」
恥ずかしくて顔を上げられない。そんな私にふふっと笑う。両手で頬を包まれて、スイッと上を向かされた。
「来てくれてありがとう」
少し目尻の下がった甘い眼差し。優しい笑顔にもっとドキドキして、慌てて目線を逸らす。
「あぁぁあの……」
「……何?」
「おし、お仕事、大丈夫なんですか?」
スムーズに話せない自分がもどかしくて、斎藤さんの服をキュッと掴んだ。
またふふつと笑う声。
「今日は特別。ちょっとだけ大丈夫」
左右から頬をふにふにと摘まれて、その手が腰に滑り落ちる。グイッと引き寄せられて、机に浅く腰掛けた斎藤さんの脚の間に捕われた。目線の高さが近くなって益々もって恥ずかしい。
「一緒に来てる人、友達?」
「あっいえ、田中さん部署違うんですけど、会社の先輩です」