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甘く、深く、繋がって
第16章 過ぎ去らざる戒め
結局休憩は30分オーバー。それとは関係なく今日も定時には上がれなくて、会社を出られたのは9時半を過ぎていた。
大変だけど、25日の千佳ちゃんとのクリスマスディナーの為に、頑張る。
お腹空いたな……
いつもは途中で何か食べるけど、今日は『グラン・ブルー』に早く行きたくて休憩を取らなかった。でも結局はこんな時間……
今から行く旨をメールしてエレベーターを降りた。昨日とは違う警備員さんと挨拶をして外へ出る。
そのまま横道から通りに出ようとして、一瞬躊躇する。昨日は桐生さんが来てくれていたけど……
左右、誰もいない事を確認して駆け出した。
黒田さんにもあの人にも会いたくない。
斎藤さんに早く逢いたい。
そう、思ったのに……
『グラン・ブルー』の店内、キッチンがよく見える席にあの人の後ろ姿。足が、止まった。
どうして?
今日は一緒に帰ってくれるんじゃないの?
ぁ、啓太の事……
気持ち、悪い。
一歩、二歩。自然と足が後退る。向きを変えようとした所に技術さんが現場へ行く時の社用車が止まった。助手席の窓が下がって聞こえてきた男の人の声。
「真純?」
血の気が引いた。
大変だけど、25日の千佳ちゃんとのクリスマスディナーの為に、頑張る。
お腹空いたな……
いつもは途中で何か食べるけど、今日は『グラン・ブルー』に早く行きたくて休憩を取らなかった。でも結局はこんな時間……
今から行く旨をメールしてエレベーターを降りた。昨日とは違う警備員さんと挨拶をして外へ出る。
そのまま横道から通りに出ようとして、一瞬躊躇する。昨日は桐生さんが来てくれていたけど……
左右、誰もいない事を確認して駆け出した。
黒田さんにもあの人にも会いたくない。
斎藤さんに早く逢いたい。
そう、思ったのに……
『グラン・ブルー』の店内、キッチンがよく見える席にあの人の後ろ姿。足が、止まった。
どうして?
今日は一緒に帰ってくれるんじゃないの?
ぁ、啓太の事……
気持ち、悪い。
一歩、二歩。自然と足が後退る。向きを変えようとした所に技術さんが現場へ行く時の社用車が止まった。助手席の窓が下がって聞こえてきた男の人の声。
「真純?」
血の気が引いた。