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甘く、深く、繋がって
第17章 仕置き
息が苦しい。頭がボーッとする。でも...
「さいと、さん、が……好き、です」
気持ちを伝えたい。
「うん」
頷いた斎藤さんがゆっくり腕を解いた。

あ……

急速に呼吸が楽になり、反動で激しく咳が出る。
「ごめんっ」
焦った斎藤さんが左腕で私の身体を支え、右手で背中を擦(さす)ってくれた。
「だ、大丈夫、です」
途切れがちに応えながら、その腕に縋る。
離れてしまった身体が寂しい。ずっと、斎藤さんに包まれていたい……

何とか咳が落ち着いて、ゆっくりと身体を起こした。
「大丈夫?」
覗き込んでくる心配そうな眼差し。そこに緋色は潜(ひそ)んでない。
「大丈夫です」
微笑みを返すとほっとしたように斎藤さんが小さく息を吐いた。
「本当ごめん。……真純を俺ん中に入れてしまいたくて、力の加減が出来なかった」

……

「そんな事出来る訳ないのにね」
自嘲気味に笑って肩を竦(すく)める。

同じ事、思ってた?

私を中に入れたい斎藤さんと、斎藤さんと解け合いたい私……
嬉しくなって口元が緩(ほころ)ぶ。
「真純?」
不思議そうに首を傾げられて、自然と口角が上がっていた。
「……どうしたの?」
「私も、斎藤さんと同じ事思ってました」
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